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外国語教育・国際理解科目・課題研究

本校の教育の3本柱「外国語教育」「国際理解科目」「課題研究」についてご紹介します。

外国語教育

【習熟度別・少人数制授業】

 本校では、全部で11種類の多様な入試を経て生徒が入学します。また、短期の海外滞在も含めると例年40近い国や地域のバックグラウンドを持つ生徒が在籍します。そこで、本校の英語の授業は、生徒のレベルに応じて習熟度別・少人数制のクラス編成を実施しているのが特徴です。科目にもよりますが、2クラスを最大5グループに分けていることが大きな特徴です。英語が得意な生徒から少し苦手意識を感じている生徒まで、一人ひとりの発言機会が豊富にあります。自分のレベルに合った環境で、ネイティブ教員や日本人教員からきめ細やかな指導を受けられるので、着実に力を伸ばすことができます。日本で生まれ育った生徒も海外を経験している生徒も、様々なバックグラウンドの仲間と学校生活を楽しみながら、外国語の力を伸ばしています。

【総合英語】

 「読む・書く・聞く・話す」の4技能を、より高いレベルで総合的に鍛える国際学科独自の授業です。他校の英語コミュニケーションの授業で行なっていることに加え、本校ではネイティブの教員と洋書を読む授業が最大の特徴です。
 1年次では、総合英語を読解中心のα(アルファ)、文法中心のβ(ベータ)と分け、4技能をバランスよく伸ばしていきます。
 コミュニケーションや生きた英語だけに偏らず、日本国内の大学の一般入試受験に対応できる英語力を身につけることも目標としており、国内大学入試の共通テストの得点率は、9割以上です。

【エッセイライティング(EW)】

 論理的な文章構成力と豊かな表現力を養う、国際学科独自の科目です。他校の「論理・表現」の内容に加え、より高度なライティングスキルを学びます。1年時の「総合英語」で学んだ内容をさらに発展させ、英文法の応用力を養うとともに、課題としてまとまった英文を書くことを通じて、豊かな表現能カを身につけています。週2時間のうち1時間は日本人教員が文法や構成を指導し、もう1時間はネイティブ教員とのチームティーチングで、より自然で説得力のある英語表現を実践的に学びます。

【ディベート&ディスカッション(DD)】

 他校の「論理・表現」の内容に加え、スピーチ力、ディスカッション力、ディベート力を鍛える国際学科独自の科目です。物事を多角的に捉える力や、自分の意見を瞬時に組み立てて発信する力が飛躍的に向上します。

【多様な選択科目】

 長文演習、英作文演習、英文法演習、LL演習、上級英会話、第二外国語上級、critical mindsetなど、多様な選択科目が設置されています。

【英語外部検定】

 日頃の学習成果を測るため、英検はもちろんのこと、ケンブリッジ英検を実施しています。海外に通用する語学力を鍛えています。

【5つの言語から選べる選択科目】

 1年次から第二外国語を学ぶチャンスがあります。ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、韓国語・朝鮮語の5言語の中から、自分の興味や将来の目標に合わせて選択できます。多くの生徒が未経験からスタートしますが、卒業時には基礎的なコミュニケーションが取れるレベルを目指します。また、第二外国語の他に、英会話や日本語も選択できます。

【ネイティブ教員による実践的な授業】

 すべての言語で、専門のネイティブ教員が指導にあたります。文法や文字の学習はもちろん、英字新聞やエッセイ、時事問題などを取り上げ、ネイティブの先生とのやり取りを通して生きた言葉を学びます。

国際理解科目

 国際理解推進行事などを通じて国際感覚を育成する事は、これまでも多くの学校で実践しており、本校でも積極的に推進しています。しかし、本校の最大の特色は、毎日学ぶ教科・科目の中に国際理解を促進することを主目標にした教科・科目を系統的に位置づけていることです。必要な知識・技能・能力・態度等を教科・科目の学習を通して学べるように配慮したのが国際理解科目です。

 どの科目も工夫された授業展開となっています。レポート作成や実習など自ら進んで学習する姿勢が求められます。教える側も、学ぶ側も苦労が多いのですが、専門分野の研究者や民間の実務者などをお招きし、直接指導を受ける科目も多く、それぞれに魅力ある学習内容となっています。

 国際理解に関する各科目は下図に示すように3領域に大別され、それぞれ4科目で構成されています。全員が必ず履修しなければならない必修科目(青字)と自由選択科目(黒字)があります。

領域 科目 内容
文化理解 国際地理 人間と文化のかかわり、世界の諸地域の民族と文化をとりあげ、文化の多様性について理解し、文化の交流や変容と発展について学習します。
日本文化 伝統的な文化から現代文化、アイヌから沖縄まで日本文化についてさまざまな観点から学習します。
伝統芸能 九世観世銕之丞先生から能の仕舞・謡いを直接教えていただき、学年末には表参道の能舞台のうえで一人ずつ仕舞と謡を発表できるという、本校独自の贅沢な授業です。
日本の伝統武術 武道および日本発祥の体操・スポーツ文化について学びます。
外国文学 神話、民話、世界の名作、児童文学、シェークスピアなど様々なジャンルに及ぶ文学作品を鑑賞します。
社会理解 国際関係 戦後の国際政治や国際経済の動向を踏まえ、国際的な諸問題について学習し、理解を深めます。
社会生活 「さまざまな人権問題」「社会問題」をテーマに、ディスカッション・専門家の講演・関連施設の社会見学等を行い、複雑な現代社会を生き抜くための術を「人権」というキーワードによって考えます。
地域研究 国際高校周辺や渋谷のフィールドワーク(地域調査)をはじめ,国際都市東京の地形や歴史,都市の機能や地域の課題など様々なテーマを通して、地域の特性についての理解を深めます。
福祉 家庭福祉、障害者福祉、高齢者福祉、福祉制度と歴史、ボランティア活動などについて、施設見学や実習を交えた授業を行っています。
環境・表現 環境科学 地球環境問題全般を学習するとともに、自然科学の基礎知識の修得を目指します。
コミュニケーション 対人コミュニケーション、異文化コミュニケーション、マスコミュニケーションについて、ワークショップ形式で学びながら、自己表現能力を高めます。
映像A デジタルカメラを用いた写真撮影を中心に、写真の理論、撮影技術・編集技術などを実習します。校外での撮影や写真美術館に出かけます。
映像B デジタルビデオカメラによる撮影とコンピューターを使った編集の技術を実習します。制作を通じて、映像表現に関する様々な理論を学んでいきます。
演劇 発声練習から始まり、身体表現、即興劇の練習、メイキャップや着付けの実習、ジャズボーカルに挑戦したりします。

課題研究

 「課題研究」とは、⾃分で設定した研究テーマについて、調査・観察・実験などを⾏い、そこから得た事実にもとづいて、⾃分の考えや主張を論理的に⽰す研究・探究活動です。指導担当の先⽣から助⾔を得ながら、2年次に⼀つ、3年次に⼀つ、合計⼆つのテーマについて研究に取り組みます。研究成果は、どのようにして⾃分の考えや主張に到達したかという形で⽂章にまとめて作品(論⽂作品)に仕上げて提出します。また、研究成果についてプレゼンテーションを⾏い、他者へ⾃分の主張を分かりやすく伝える実践も⾏います。
 本校の課題研究は開校当初から実施されており、学校で設定された時間外での⾃主的・⾃発的な活動が求められます。

近年のテーマ例

「学校教育における防災教育の必要性」「少年法適⽤年齢引き下げについて」「⽣物多様性に関する考察〜⽣物多様性とは何か」「ホームレスの実態」「アフリカ系アメリカ⼈のアイデンティティとヘアスタイルの関連性」「献⾎とSDGs」「『た』の本質の研究」「MMT で経済格差は解消されるのか?」「化粧品産業における動物実験のあり⽅」「⾷品ロスの実態と私たちにできること」

研究発表会の様⼦

⽣徒の声

⼤変だと思うことは何回かありましたが、楽しかったです。ネットで調べれば簡単に答えが出てくる時代に、様々な資料をもとに考えを深めていくことは、将来に⽣かせるいい経験になったと思います。

課題研究は⼤変な⾯もあったけれど、やり通す⼒を養えました。また、様々な視点から物事を捉え、⾃分の視野・考え⽅を深めることができ、⽂章の表現⼒も付いたと思います。ここで⾝に付けた⼒を⼤学や仕事でも⽣かしたいです。

2年間取り組んだ課題研究で計画、本⽂の作成、プレゼンテーション、フィードバックの過程を通じて⼀般的な学問としては学ぶことのできない計画⼒・実⾏⼒・コミュニケーション能⼒、課題発⾒⼒を⾝に付けることができました。